口寂しさの理由

最終更新日

やたらと買い物したくなる。
手持ち無沙汰になるとついスマホを開く。
ネットショップを巡りながら「何か欲しい物ないかな」と探す。

私にはそんな時期がありました。

「何か欲しい物ないかな」って、よく考えたらおかしな話ですよね。

欲しい物があるから買うならまだしも、欲しい物が何かわからないのに「自分の欲しくなる物」をわざわざ探す。

これってどういう心理がはたらいているのでしょう。

欲しい物がわからない。
でも何か欲しい。

なんだか「口寂しい」状態に似ています。

空腹でもないのに何か食べたい。
エンプティカロリーの食品を頻繁に摂っていると陥りやすいと言われています。

エンプティカロリーとはカロリーばかりで栄養素的には空っぽな食べ物のこと。
ジャンクフード、お菓子、インスタントフードなどの加工品がそうですね。

ハイカロリーでボリュームも十分なはずなのに、実際には栄養が足らないため体は満たされていないと感じて「何か」を欲してしまい、だらだらとお菓子をつまんだり、夜食と称してカップラーメンを食べてしまう。
カロリーばかりで栄養は摂れず、気付けば体はくたびれモードに。

これを家に置き換えてみましょう。

セールだったから、SNSでおすすめされていたから、一瞬ハマって、とりあえず間に合わせで。
もしくは本当はすごく欲しい物があるのに高くて買えない、仕方なく安くて似たような物を買うことで欲求を誤魔化す。
こんなふうにあまり何も考えずに家に物を招き入れてしまう。

これではエンプティカロリーフードと同じく、心は満たされないですね。
買っても買っても満たされず、栄養のない物ばかり溢れて家もメタボ状態に。

本当に気に入った物は心の栄養になり、少量でも満たされるもの。
「何か私の心を満たしてくれる物はないかな」なんて探す必要はありません。

少し話が逸れますが、私はスナック菓子がやめられなかった時期があります。
でも不思議なことに旅先で食べたいと思ったとが無いことに気付き、ちょっと想像してみました。

たとえば美しい海や草原、もしくは山の見える、自分が理想とするようなホテルやコテージで、採れたての野菜や果物、新鮮なお魚などを使った素晴らしい料理をいただく。
静かで風通しのいい部屋からは夕暮れの月が美しく輝いているのが見える。

そんな時、ポテチをつまみながらネットショッピングなんてしたくなるかな?
絶対ならないな、と思いました。
実際、旅先で非現実を味わっている時はあらゆる物欲がストンとおさまっていました。

このような体験から言えることですが、心が満たされているとジャンクな物を欲さなくなります。
ジャンク、つまりガラクタですね。
ストレスなどが原因で心の中に不足感が生まれると、それを埋めようと簡単に手に入るジャンク品が家の中に増える。ジャンク品が増えると空間が乱れ、空間の乱れがまた新たなストレスを生み出す。
そんな負のループに陥ってしまいがちです。

もし、あなたが過去の私のように、なんとなく心が口寂しい状態になってしまっているなら、まずは徹底的にご自分の部屋のガラクタを手放すことをおすすめします。

健康になることを決意したら、家の中から徹底的に加工食品などを除く。
集中して勉強しようと思ったら、机の上を片付けてゲームや漫画などが目に入らないようにする。
それと同じことですね。

家に物が多い人は、何かしら心の不足感が要因でそうなっている場合が多いです。

一気に手放すのはショック療法に近いかもしれませんが、負のループを断ち切るためにもまずは大量のガラクタを手放す。これをなるべく短期間で行うこと。
そして本当に心満たされる物、ほんの少しでも豊かな気持ちになれる物だけを自分のスペースに招き入れる。

心が満たされるという感覚を味わうと口寂しさはなくなり、むやみに物を買うこともなくなるでしょう。

口寂しさ(不足感)をガラクタで紛らわすのは終わりにして、栄養のある物に触れて心を満たす。
私たちはもう十分に豊かなのですから。

photography by Chika

chic

シェアする